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大会結果>>2013年の大会結果
◆2013年1月14日GGXXACPR講習会テキスト
以下は
>>GGXXACPR講習会のために作成されたテキストです。
動画ご試聴のお供にご利用下さい。
どうも火九です。2013年もよろしくお願いします。
というわけで今年最初の講習会イベントはGGXXを題材に取り上げていきたいと思います。
今までの火九の講習会というと「ゲーム内容にあまり関係ない、対戦格闘ゲーム上達のためのアドバイス」
みたいな形でしたが、今回は逆のアプローチで挑んでみたいと思います。
つまり「GGXXにおけるアドバイスを通じて、対戦格闘ゲーム全般の考え方を身につける」という内容で
お送りします。
今までの講習会に比べると専門的な内容も多い話になるとは思いますが、最終的には諸般の対戦格闘ゲームに
フィードバックできるような形にしていく所存です。
どうぞ最後までお付き合いください。
【1】 全ての対戦格闘ゲームに共通するシステムがあります。それは一体?
「レバーで移動」?
惜しい、しかし明らかに対戦格闘ゲームなのに「ボタンで移動」するゲームがあります。
「ジャンプがある」?
これまた惜しい、しかしジャンプがシステムで規定されていないゲームも存在します。
では一体何ぞや?
…
もうおわかりですね、茶番に付き合っていただいてありがとうございました。
「ガード」です。全ての対戦格闘ゲームには「ガード」が存在します。
逆に言うとガードのない対戦ゲームは「対戦格闘ゲーム」ではないとも言えます。
順序は逆になりますが、「ガードの存在」こそが「対戦格闘ゲーム」を定義づけているとも言えます。
ガードというシステムの強さはゲームによりまちまちですが、GGXXにおけるガードは「強いシステム」とは言い切れません。
というのも「ガードバランス」というシステムが「ガード」に対して間接的ながらも大きなにリスクを与えているからです。
また、GGXXには「中下段同時攻撃」というガード不能攻撃や「空中ガード不能技」といった、直接ガードをこじ開ける行動も多く、ガードが固ければ被ダメージをゼロに抑えるといったことは実質不可能です。
さらに言うと、一般的に対戦格闘ゲームにおいて「ガード」というシステム行動を崩すためのシステム行動は「投げ」になるのですが、GGXXの通常投げは発生1Fかつ投げ抜け猶予が3F(投げが成立する前後1Fのみ)、またほとんどのキャラが追撃or起き攻めが可能と、現行の対戦格闘ゲームの中でも屈指の強さとなっています。
補足すると「ガード時や起き上がりの投げ不能時間」システムもあるので投げ自体がそこまで万能の崩しではないのですが、その投げ不能時間も5〜6Fと最速発生通常技よりわずかに遅いくらいであり、多くの対戦格闘ゲームの中でも強めの調整になっています。
またGGXXでは投げ抜けをガードに仕込むことがシステム上ほぼ不可能であり、この点も投げの強さを際立たせています。
しかしGGXXの対戦事情、特に上位プレイヤーの対戦を見ていると安易な崩しを上手く回避しているシーンが目立ちます。なぜその中段をガードできるのか、なぜ投げを毎回ジャンプでかわせるのか、なぜきつい固めをやすやすと回避できるのか。
それは「システムを使った防御テクニック」がベテランプレイヤーの間では浸透しているからです。
GGXXはガードに間接的にリスクを与える「ガードバランス」や「1F発生の通常投げ」、また「テンションゲージ・テンションバランス」など攻めのシステム的な強さが苛烈なゲームではありますが、それに負けないほど防御システムも強力です。
まずは「後ろ要素にレバーを入れながらS+HS以外のPKSHSどれかのボタンを2つ同時押し」である「フォルトレスディフェンス」。使用時またはガード成功時にテンションゲージをそれなりに消費するものの、恩恵も多い強力なガードシステムです。
「フォルトレスディフェンス(以下FD)」の利点は
・空中ガード不能技をガードできる
→基本的に地上技は空中ガード不能となっているGGXXですが、FDを張れば安心の絶対防御です。
空中FDの最大の利点は「中段下段投げの崩しを回避できる」こと。地上の崩しは空中の相手には無力です。
空中判定になるためには「ジャンプ移行フレーム」という3〜4Fの隙をさらすことになりますが、これは大体の
キャラの小技より発生が早く、つまりジャンプ即FDは暴れより安全に相手の攻勢から逃れることができる
防御方法と言えます。
・ガード硬直が伸びるかわりに、ガード時のノックバック距離が増える
→現行のFDは過去シリーズに比べてノックバック距離が大きく、固めにガトリングコンビネーションを
使ってしまうとすぐに打撃圏外に相手を逃すことになります。
またガード硬直の増加やノックバック距離の増加は「ガードさせた攻撃の攻撃レベル依存」であり、
大技であるほどノックバック距離が増えます。
つまり「FDで固めを逃れる」相手に対しての解決策は「攻撃レベルの高くない技での固め」となるわけですが、
GGXXでは総じて小技の有利フレームが少なく、また「基底ダメージ補正」「ガードバランスの減少量」という
システムの存在もあり「小技始動の連続技は安い」というジレンマを抱えています。
かといってガトリングを入れ込むとFDで固めが終わる…このFDに対してどれだけ攻勢を維持できるかが
GGXXにおける攻め側の難題となっています。
・ガードバランスが上昇しない
→ガードに間接的にリスクを負わせる「ガードバランス」というシステムですが、
FDはこの「攻め有利」のシステムに真っ向からぶつかりあってます。
苛烈な固めから一点突破で大ダメージを奪う、というのが多くの人間のGGXXに対しての印象とは思いますが、
FDを使えばガードのリスクを大幅に減らすことが可能となります。
崩されない・崩れない自信があるなら通常ガードや直前ガードで凌ぐのが最善ですが、苛烈な攻めが魅力の
GGXX。厳しい攻めには素直にFDしてリスクを減らすのがいいでしょう。
・削りダメージを無効化できる
→結構細かい点になりますが、案外バカにできないのがこの要素。
特にACPRでは削りダメージの見直しも行われ、通常ガードでは看過できないくらいの削りダメージを与える技も
多くなっています。
ただ削りダメージ無効化のために全ての必殺技をFDするのはさすがに得策ではなく、ゲージ量や
テンションバランスを考慮しながら直前ガードやSBと使い分けするのが大事です。
・FD中は上要素にレバーを入れてもジャンプしない
→細かく大事な点です。
FDを張りながら7方向にレバーを入れてもキャラクターはジャンプせず、立ちガードのモーションを取ります。
利点としては「とっさの中段ガード時にジャンプに化けずにすむ」ことが大きいですね。
逆に欠点としての側面もあり、「FDからジャンプに移行するには、一度同時押しをやめないといけない」
ということでもあります。操作が煩雑なので、FDからのジャンプ→即座に空中FDは練習が必要なテクニックです。
(ちなみに「ジャンプ移行フレーム中にガード要素にレバーを入れながらボタン同時押し」とした場合の挙動
ですが、通常時からのジャンプだとFDとなりジャンプキャンセル時は最速で空中FDが出ます。)
またFDの欠点は「ゲージがそれなりに必要」という点です。
2〜3発打撃をFDするだけで25%は簡単にゲージが減るので、運用の際は注意です。
また「FDを張ると解除から1秒間テンションゲージ上昇に25%の増加補正がかかる」という点もあります。
ダッシュの急停止などでFDを多用することはあると思いますが、その後1秒は前進によるゲージ上昇にもキャップがかかるので、無駄なダッシュ急停止はゲージ管理の点から言うと得策ではないでしょう。
同様に「相手の攻撃が当たらない位置からのダッシュジャンプ」も手癖でFDを仕込みがちですが、細かく言うとゲージ管理の観点からは良い行動ではありません。
総じて言えるのが「無駄なFDは文字通りゲージの無駄」という点です。上手く手癖を矯正したいですね。
このFDをシステム解析して防御に上手く用いたガード方法が「ファジーガード」です。
「ファジーガード」とは昨今の対戦格闘ゲームシーンではいろいろ使われる用語であり、「特定連携に対してガード方法をタイミングで変えることによって、視認や読みではガード困難な連携をガードする」テクニックのことを指しますが、GGXXにおいての一般的なファジーガードは「投げと打撃の二択を回避するジャンプ入れファジーガード」のことを言います。
自分の起き上がりを例にまずは入力を解説すると、 「起き上がり直後はFD入力→5F以内にボタンを離してジャンプorハイジャンプ入力→即座にレバーを下要素に戻して空中FD入力」となります。
このガード方法は「重なる打撃と投げ」の択に対して鉄板の防御テクニックです。
つまり重なる打撃にはFDを張り(ヒットストップ中にジャンプ入力が消化されるので、小技連打も問題なく連続ガードできる)ながらリスク軽減しつつガードし、投げは投げ無敵フレーム中にジャンプすることによって回避できます。
ファジー潰しは相手のジャンプ移行フレームを狙った遅らせ打撃が鉄板ですが、特定の連携を組まないと難しいです。また起き上がりに中段を重ねることも入力ミスを誘いやすく一定の効果があります。
このファジーガードの登場によりGGXXの防御は格段に進歩しました。現状の上位プレイヤーが投げ絡みの択をなかなか通さないのはファジーガードを徹底しているからです。
現在は投げ仕込みFDの撤廃やゲーム全般の攻めの強化もあり、攻撃と防御のシステムの強さは拮抗していますが、青リロ末期は「中下投げの三択があって初めて崩せる」「立ち回りでダメージ取れないキャラは苦しい」と、非常に突破力を出すのが難しいゲーム性となっていました。
ファジーガード自体には「ファジー潰し」以外の弱点は理論上存在しません。
ただし運用の際気をつけたいのは「相手の崩しや連携を理解していないと、入力のタイミングが難しい」という点です。
ファジーガードはその入力の性質上、非常にミスが生まれやすいです。
同時押しやジャンプ移行フレームの管理を相手の連携に合わせて的確に行うのはかなり高度なテクニックと研究を必要とします。
ただガードテクニック自体は強力なので、特に投げの強力なキャラに対してはきっちり仕込んでいきたいところです。
続いての防御システムは「スラッシュバック」、アクセントコアから導入されたガードの究極形態です。
入力は「レバーをガード要素に入れながらS+HSボタン同時押し」。
スラッシュバック(以下SB)の利点は
・SBした攻撃のレベルにかかわらず、ガード硬直とヒットストップが一定となる
→最大の利点は「ガード硬直の大幅な減少」です。
地上SBは3F、空中SBは1Fと、成功すればほとんど全ての状況で五分以上のフレームを作れます。
またヒットストップも固定されるので、連続SBも相手の攻撃レベルに左右されることはありません。
・テンションバランスの大幅な上昇、またテンションゲージの上昇
→目立たないものの大きな利点です。単発飛び道具にSBを取ることができれば、その後の展開が
非常によくなるでしょう。
非常に強力なシステムであるSBですが、このシステムには弱点も多く
・SBを入力したあとは失敗時30F間、成功時も15F間ガードができなくなる
→大きなリスクですが、ヒットストップ中やガード硬直中もこの30Fは消化されるので「単発打撃」にSBを狙うことは
それほど大きなリスクとなりません。
レベル5の攻撃にSBを狙うとすると、失敗したとしてもヒットストップで15F、ガード硬直で18Fを消化できるので、
RCで追撃されない限りはほぼノーリスクです。
・成功猶予が2Fしかない
→実戦で安定させるのが人間には難しいレベルです。
特定技に対してのSBは練習次第でなんとかなりますが、全ての技をSBということは実際には不可能でしょう。
またミスしやすいというのも大きく、ミスった場合のリスクも大きいので、上述の単発打撃や特定連携以外での
使用はオススメできません。
・起き上がり後10FはSBが発生しない
→特定状況というとGGXXでは「起き攻め」というシチュエーションがまず浮かびますが、自身の起き上がりに
SBを使うことはできません。
しかし逆に考えると起き上がり10FはSBが出ないので、上述の「HSの出がかりはSBでキャンセルできる」ことを
利用しての「投げ仕込みガード」が起き上がり10Fは可能となります。
入力は「起き上がり時に4+HS→Sボタンのずらし押し」です。SBが発生しないからこそ可能なテクニックです。
ガードまわりのシステムで最後となるのが「直前ガード」
入力は「相手の攻撃を受ける直前8F以内にガード要素のレバー入力」。また「一度直前ガードに失敗する(ガード入力してから8F以降に攻撃をガードする)と、その後30F間直前ガード不能」というリスクシステムもあります。
直前ガードの利点は
・ガード硬直が減少する
→単純に相手の連携に対しての解答が増えます。
・テンションゲージ、テンションバランスが上昇する
→ロボカイ以外はテンションゲージの上昇は微々たるものですが、テンションバランスの上昇は地味ながら
効果が大きいです。
この点もあり直前ガードは通常ガードよりも優れている、出来るなら出し得のテクニックと言えるでしょう。
・ガードバックが小さくなる
→直前ガードに成功し、切り返しを狙う際は利点となりますが、直前ガードしても切り返せない連携に対しては
欠点となります。
ガードしても距離が離れないということは、近距離での密度の高い連携を続けられるということでもあり、
ガードバックの減少は一概に利点とは言い切れません。
欠点としては
・特に連続ガードでない連携に対して入力失敗による被ダメージを受ける可能性がある
→GGXXではガード硬直中に攻撃を受けた場合、ガード状態が継続するというシステムがあります。
しかし直前ガードでガード硬直を減らす、または減らそうと再度ガードを入力した場合「ガード硬直が切れた
フレームにレバーがガード要素に入っておらず、ガード入力をし続けた場合ガードできる攻撃を食らってしまう」
というミスによる被ダメージ要素が増える可能性があります。
・連続ガードにならない連携が増えることにより、ガード継続時にガードバランス上昇量が増える
→連続ガード中はガードバランスの上昇に50%の補正がかかるのですが、直前ガードを多用し且つガードを
継続した場合、連続ガードにならない連携を多くガードする状況が通常ガードに比べて増えます。
結果としてガードバランスが上昇しやすくなり、崩された(ミスして崩れた)時のリスクは増えることになります。
・FDとの併用不可
→ならばFDと直前ガードを組み合わせれば光と闇があわさり最強に見えますが、このふたつのガードシステムは
併用できません。FDを使用中は直前ガードが発生しません。
頭がおかしくなって死ぬ前に直前ガードとFDを上手く使い分けて、相手の連携から脱出しましょう。
さて、ここで大事なのが「FDと直前ガードの使い分け」です。
上手く使い分けてと言ってもどのような局面でこの二つの強力なシステムを使い分ければいいのか、上手くイメージできないかもしれません。
大体のセオリーは3つほどあるので、ここに列挙します。
@ガトリングコンビネーションに対しては「初段は直前ガード、三段目くらいからFD」。
→大体のキャラの触りだしのガトリングコンビネーションはP技かK技から始まります。
P技K技系統は攻撃レベルも低く、またFDしてもノックバックが少ないので初段は直前ガードしたほうが
効率は高いです。
一方三段目以降、また小技止め→小技という連携に対してはFDが有効です。
ガトリングの三段目以降はS技HS技で構成されることが多く、FDを使った場合のノックバック増加が大きい、
またガード硬直差もこちら有利となる技が多いので距離を離したあとに比較的安全に脱出しやすいです。
小技止め→小技という連携も二回目のダッシュ小技は初撃に比べて遠目の間合いでガードすることが多く、
FDすればより安全に距離を離しやすいです。
A相手が崩しにくる匂いを感じたらFD
→直前ガードと中段ガードの両立は非常に困難です。
FDに入力を切り替えて、また意識も相手の動きを注視することに切り替えましょう。
崩しの1テクニックである「当て投げ」ですが、これも初撃の小技をFDできれば相手の投げ間合いに入りづらく、
崩しを回避できることが多いです。
崩し回避の基本は「間合いを離すこと」です。FDはうってつけのガード手段となります。
B空中ガードは「FD→直前ガード→FD」で
→空中に移行した直後のタイミングは相手の地上技をジャンプの出がかりに受けやすいです。
きっちりFDを張りましょう。
また、空対空の攻撃をガードできた場合は直前ガードを仕込みながら空投げ連打。
空投げや直前ガードに失敗して途中から相手の打撃を食らっても安く済む場合が多く、また直前ガードに
成功すれば空投げでの割り込みが決まりやすい局面です。
空対空をガードさせられた場合や相手が地上で待ち構えている場合は、前者は相手が着地した後、後者は
着地前にFDを張りましょう。相手の地上攻撃での迎撃をガードできます。
また、GGXXの防御システムは他にもあります。
1F目から無敵となるバックステップは厳しい連携や起き攻めへの解答になりえますし、ほとんどのキャラが上半身無敵判定を持つ6Pは対空だけでなく対地にも使い勝手のよいキャラも多く存在します。
苛烈な攻めがイメージとして強いGGXXですが、守りを支えるシステムも非常に強力です。
簡単に死なないためにも、まずは防御のシステムを理解、そしてシステムを使った防御テクニックを身につけていきましょう。
【2】 対戦格闘ゲームの勝利条件を本気出して考えてみた
対戦格闘ゲームの勝利条件は「自分の体力がゼロになる前に相手の体力をゼロにする」こと、もしくは「タイムアップ時に相手の体力を上回っていること」です。
つまり勝利条件に近づくためには「自分の体力を減らさず」尚且つ「相手の体力を減らす」ことが重要となります。
自分の体力を減らさないための防御システム・テクニックは前項で解説したので、この項目では相手の体力を減らすための考え方について解説します。
対戦格闘ゲームにおいて「相手にダメージを与えるシチュエーション」を分類した場合、大別して4つに類型化することができます。
一つ目が「ガード上からの削り」
二つ目が「確定」
三つ目が「崩し」
四つ目が「対応」です。
一つ目の「削り」ですが、まず2D格闘と3D格闘ゲームでは「削り」という言葉の意味が違います。
2D格闘ゲームにおける「削り」とは「ガードの上からでも与えられるダメージ」のことを指し、3D格闘ゲームにおける「削り」とは「低ダメージ高速の下段で立ちガードを崩す」ことを言いますが、ここでは前者の意味で使います。
ガードは2D格闘ゲームにおいてはほぼ万能の防御システムですが、そのガードの上からダメージを与えられる削りは重要なダメージソースとなりうるゲームも少なくありません。
GGXXにおける削りダメージは、ダメージレースを主導するためのソースというよりは、FDさせてゲージを攻めるためのソースといった意味合いが強いです。
特にACPRからは削りダメージに特化した必殺技やFB技も増え、より強力に相手のゲージを攻めることが可能になったキャラも増えています。
FD(=テンションゲージ)と削りダメージ・ガードバランスの交換はGGXXのダメージソースを考える上で重要な要素です。
FDして体力を守る場面とFDせずにゲージを守る場面、どちらも対戦していてよく起こるシチュエーションです。しかし一概にはどちらが正解と言うことはできません。
自分のバーストゲージや相手キャラの性能、自分の好みやその場のノリ、いろいろな要素を加味してFDするかしないかの判断をしましょう。
二つ目は「確定」です。
確定とは「相手がガードその他の防御ができない状況のときに、こちらの攻撃を当てる」ことを言います。
「確定」も分類するなら二種類あり、自分が受動的状況で起こる確定状況と、自分が能動的に作る確定状況があります。
前者の例が「反撃確定状況」、後者の例が「ガード不能確定連携」です。
GGXXに限らず「反撃確定状況」というのは大きなダメージソースになります。
どの技に確定反撃を入れられるのか、どうしたら技をすかして反撃を入れられるのか、確定反撃時の最大ダメージコンボはどれか、という「反撃確定状況」の知識は非常に大きな武器となります。
またGGXXには直前ガード・SB・バックステップという防御側が反撃確定状況を作りやすいシステムが多く備わっています。
Kマッパハンチ直前ガードから確定反撃やバンディットブリンガーSBからの確定打撃、コマ投げをバクステで回避しての確定反撃など、システムを使って確定を取れる技も多く存在します。
知識と幾許かのテクニックでダメージを確実に取れる状況は意外と多いです。きっちり練習していいきましょう。
GGXXには「ガード不能確定連携」というものが他の対戦格闘ゲームに比べてかなり多く存在します。
単純にガード不能技を相手が行動不能状態の時に重ねるものや、中下段同時攻撃など、一瞬でガードの存在意義を疑わせるような連携が繰り出されてきます。
またそのような連携を持たないキャラでも「ゲージを持っておらず、かつ空中にいる相手に空中ガード不能技を当てる」という「ガード不能確定」が存在します。
ガード不能確定連携への対処ですが、その連携に入ってしまった場合は対処法はありません。相手がミスるのを祈りましょう。
ではどのように対応すればいいのかと言うと、その連携に持っていかれないこと、そういう連携に移行できる状況にしないことが重要になります。
たとえば中下段同時攻撃のガード不能ですが、そのほとんどは起き攻めからのセットプレイとなっています。なので起き攻めを食らわないように、極力リスクを抑えつつ立ち回るのが重要となります。
またGGXXにはサイクバーストという強力な緊急回避手段があります。ガード不能確定連携を持っているキャラ相手にはその連携の導入部にバーストを使い、確定ダメージを回避するといった対策も有用です。
「ガード不能確定連携」は強力ですし、それが強みとなっているキャラも少なからずいます。
だからこそ連携導入となる行動を未然に防ぎ、そんな状況に陥らない立ち回りを作るということがより重要になります。
三つ目は「崩し」です。
2D格闘ゲームのガードは大別して2つ、拡張して3つのガード属性、すなわち「立ちガード」「しゃがみガード」「空中ガード」が存在しますが、どのガード属性も全ての攻撃をガードできるわけではありません。
また2D格闘ゲームにおいては「ガードはレバー後ろ要素」という点を利用し、「相手の前後どちらから攻撃を当てるかを誤認させる」という方法論も存在します。
総じて「崩し」とは「ガード可能な攻撃を、ガードが困難になる状況でヒットさせる」ことを言います。
「ガードが困難」という要素は「崩しを仕掛ける側」における要因と「崩しを受ける側」における要因、その2つに起因します。
「崩しを仕掛ける側」の要因は「その崩しのガードし易さ」がまず挙げられます。
たとえば発生14Fの中段と発生29Fの中段、2つの技があったとします。この2つならさすがに14Fの中段のほうが「見てからガード」は困難と言えるでしょう。
しかし「発生14Fの中段を持っているが下段技を持っていないキャラ」と「発生29Fの中段と発生26Fの下段を持っているキャラ」、どちらが崩しが強力かという問いになると話は変わります。
崩しのガードのし易さは「崩しで使う技の視認性」だけでなく「崩しで使える選択肢の豊富さ」にも大きく左右されます。
また「崩しの視認性」については「崩し技の発生の早さ」だけではなく「崩し技のモーションの小ささ」も大きく関連します。
発生が遅くてもモーションの小さい技は、「攻撃判定発生までのキャラの動き」を視認するのが一般的です。何度か見て覚えるのがいいでしょう。
「崩しを受ける側」の要因としては「崩しに対しての意識分配」や「崩しに対してのレバー操作」が挙げられます。
「意識配分」に関しては単純に「その局面で崩し手段が存在するかどうかを知っていること」という「知識」、「崩しに適応した状況であることを認識する」という「状況判断」、「オンタイムの実戦で的確に感知する」ための「集中力」と、さまざまな要素から成り立っていますが、言葉でいうと難しいだけで実際にはごく自然に行っていることです。
「レバー操作」に関しては、もう慣れるしかありません。単純に経験の問題です。ただしレバー入力は「プレイしている時の姿勢」や「モニターと顔の相対角度」など、レバー以外の要因でもミスを誘発することがあります。一度再確認してはいかがでしょうか。
「崩し」は多くの対戦格闘ゲームにおいてダメージソースとして認識されていますが、「崩し」がなぜ強いかというと「ガードの信頼度を下げる」行動だからです。
第一項でも説明したとおり、ガードというシステムは対戦格闘ゲームの根幹であり、同時に最も強力なシステムです。
そのシステムを打破するために編み出されたのが「崩し」です。「めくり」という左右誤認に始まり、投げ、地上中段の実装、空中ダッシュを使った中下段択、連続ガード中段と、対戦格闘ゲームの黎明期から今に至るまでに多くの崩しが生まれました。
一見するとなんでもない動きに見えて、実は高度な崩しである行動も少なくありません。おいおい学んでいきたいものです。
「崩し」は強力なダメージソースとなりえますが、もちろん弱点も存在します。
というのも、一般的に「崩し」は「特定の状況下からしか狙えない」のです。
例えば「投げ」や「中下段」は地上の相手にしか決まりませんし、「空中ダッシュを使った中下段択」はジャンプしてから降り際になるまでに相手が地上にいることがそもそも崩しを仕掛けるための条件となります。
つまり「崩し」から逃れるには「崩しを仕掛けられる状況にならないようにする」というのが一番です。
「崩し」を仕掛ける状況はいろいろありますが、大体の場合は「大幅に有利フレームが取れる」状況になります。
ざっくりと考えて「大幅に有利フレームが取れる状況」は「起き攻め」、「確定反撃がギリギリ無いフレーム」、「地上の相手に降り際のジャンプ攻撃をガードさせた直後」、「相手が空中から着地した瞬間」、「地上空中問わず相手の受身直後」があります。
このような状況をまずは作らないように心がけることがGGXXにおける立ち回りの根幹です。
GGXXは比較的ガードのシステムが強く、つまりはガードシステムのアンチ行動である崩しも非常に強力です。
そんな崩しに付き合っていてはコインが何枚あっても足りないので、「崩しを仕掛けられる状況」を減らすことに努めるのが長生きのコツです。
ダウンを取られたらダウンバースト。
不利フレームは無敵技RC。
ジャンプ攻撃はFDして間合いを離す。
空中ダッシュや二段ジャンプを駆使して着地のポイントをずらす。
受身の方向がワンパターンにならないように散らす。
などなど。
生き残るためにできることはたくさんあります。まずは安易に崩しがかかる状況を減らすことから始めてはどうでしょうか。
四つ目が「対応」です。
「対応」と言えば対戦格闘ゲームでは「対空」などのリアクション行動がまず浮かびますが、ここではもう少し広義の「対戦相手に合わせた動き・技選択」という意味で考えてください。
例えば。 対戦相手のキャラは崩しが強い。見えない崩しをたくさん持っている。
なので崩しを仕掛けられる状況を作りたい。まずは触って、できればダウンを取って起き攻めしたい。
という場合、対戦相手のキャラはどのような行動をしてくると考えられるでしょうか。
まずは崩しが仕掛けられる距離、そして状況を作ることが最初の目的になるでしょう。
なので相手キャラは「有利フレームが取れる状況になるような接近」を狙ってきます。
それはジャンプ攻撃をヒットさせる、最悪ガードさせることかもしれませんし、地上でのコンボでダウンを取ることかもしれません。
というわけで対戦相手の狙いが見えてきました。これはこちらからダメージを奪うチャンスでもあります。
ジャンプ攻撃での接近を狙ってくるなら各種対空行動で迎撃すればダメージが入りますし、相手の地上攻撃に相性のいい技があれば、それを軸に地上を組み立てれば嫌がった相手を飛ばすことができ、結果的に対空行動でダメージを取れます。
簡単な例となりましたが、総じて言えるのは「対戦相手は狙いを持って行動している」ということです。
その「狙い」に対して「対空」したり「牽制」したりするのが「対応」によるダメージソースです。
また相手の「狙い」を絞れれば「間合いを上手く取る」ことや「相手の技をすかす」ことによって「崩し」や「確定」を狙える「状況有利」を取ることもできるでしょう。
現在のGGXXにおける上位プレイヤーの対戦は、ほとんどがこの「対応」によるダメージソースを武器に試合を作っています。
というのも、「崩し」「確定」を受ける状況を極力減らすように「立ち回り」を作っているからです。
「崩し」「確定」が決まる状況になってしまうと、どれだけ努力してもダメージを減らすことはできません。20Fより早い中段はいくら練習しても見えるようにすることは困難ですし、オーラは気合で増やすことはできません。
しかし「崩し」や「確定」が決まる状況を減らすような「立ち回り」を作る努力は必ず実ります。
攻めが苛烈な中で行動の自由度を最大限に利用して、立ち回りでの安定を取ることができるゲーム性こそがGGXXの最大の魅力でしょう。
【3】 敵を知り己を知れば百戦危うからず。つまりはどういうことだってばよ
さて前項の最後に登場した言葉「立ち回り」。
この言葉が対戦格闘ゲームシーンで目立って使われだしたのもGGXXの登場以後のような気がします。
さんざん言及している通り、GGXXは攻めの苛烈なゲームです。
特にGGXの流れを深く受け継いだシリーズ初期においては「ターン性」と言われるほどに「起き攻め」の強烈さが目立っていました。
そんな中で「どちらが先にチャンスを掴むか」というニュートラル状況での戦況を「立ち回り」という用語で現すのは自然な流れだったように思えます。
「立ち回り」という言葉ですが、もとは「自分以外の相手がいる中での、自分自身の行動」という意味を持っています。
対戦格闘ゲームにおいても「立ち回り」という言葉は広義の日本語と同様です。
つまり「立ち回り」とは「対戦相手」の存在なしには語ることはできません。
この場合の「対戦相手」とはその存在そのものではなく、「より合理的に勝利を目指す存在」というどちらかと言うと形而上の意味で考えてください。
わかりやすく言うとこの場合の対戦相手は筐体の向こうの人間ではなく筐体の中のキャラクター、ひいてはゲームシステムです。
ゲームシステム上で定義されたゲーム内のキャラクターに、自身が扱うキャラクターで合理的に勝利するための行動規範、それが立ち回りです。
長くなりましたが、立ち回りを考える際は自身のキャラ性能と対戦相手のキャラ性能を考えることは大前提です。
では実際の立ち回りの考え方についてソル×…じゃなくてvsカイを例に考えてみましょう。
ソル側は密着してしまえば強力な崩し手段であるぶっきらぼうに投げるを有効に活用できます。
地上戦の相性はカイ側が2Sや遠Sなど、リーチの長い技を多く持つのでペースは握られやすいですが、先出しできれば外から立HS内に入れば足払いでカウンターを取ることができリターンでは圧倒できます。
ソル側立HSに対してはカイ側Sスタンエッジも有効ですが、足払いに対しては有効なリターンに結びつかず、また外側からのグランドヴァイパーという強力な選択肢もあるので、ゲージの無い状況ではリスクも大きいです。
空中ですが、地上戦で勝っているのはカイ側かつカイ側の空対地はお察しなので、カイから跳ぶことはまずないです。
ソル側の空対地はいい高さでの空中ダッシュJSやJHSがカイの6Pでは落ちないのがいい要因です。
ソル側はジャンプ着地からの走りこみという地対空を咎める選択肢をもともと持っているので、カイ側は対空で下HSも振りづらく(判定でもJHSに負けやすい)、地上に張り付いての対空ではソル側の跳びを対処することは難しいです。
しかし空対空の相性ではカイ側JKがやはり強く、きっちり空対空で合わせれば大体の行動に勝ちます。
しかし見てから空対空で落とすのはやはり難しく、ここでカイ側が「先に跳ぶ」という状況不利を背負う可能性もあります。
カイ側としてはノーマルジャンプJSJHSは6Pで落とし、ノーマルジャンプの届かない位置からの空中ダッシュは立HSを置くといった行動が鉄板です。
ソル側のノーマルジャンプが届き、なおかつ空中ダッシュされる状況が最悪のパターンなので、その位置では空対空のJPJKも使っていくのが無難でしょう。
しかしソル側には空対空潰しの鉄板JHSがあり、ジャンプの登りで出したJHSは下りでやはりカイ6Pで落ちない高さの空中ダッシュができるので、ソル側選択肢としてはありです。
そこで上りJHSを使うようになってきたらカイ側下HSの出番です。カウンターさえ取れればリターンの大きい技なので、上りジャンプ攻撃の一点読みとしてソル戦でも出番が出てきます。
一方カイ側が先に跳んでしまった場合、ソル側の接近チャンスです。
ソル側の立Kや足払い対空を真っ向から潰す手段は少なく、カイ側はスタンエッジ・JD・レイズを使って着地タイミングをずらすことで少しでも状況不利を減らすことが重要です。
総じてコンボダメージなどのリターンはソルが勝っているので、ソル側がいかに崩しの局面に持ち込めるか、つまり密着してのぶっきらを通せる状況に持っていけるかがカギです。
カイ側は地上戦の的を絞らせず、的確な対応からダメージを取っていくのがメインですが、対応に読みが絡む点も特に対空行動をメインに少なくないので、より慎重なゲームメイクが必要となります。
…と簡単に立ち回りを技相性メインで解説するとこのような具合になります。
しかしGGXXの立ち回り概論はこれだけでは終わらず、この上に「ゲージ状況」「テンションバランス状況」「ガードバランス状況」「画面端位置」といった重要な要素が絡み合ってきます。
「画面端位置」については多くの対戦格闘ゲームと同じく、後ろの無い状況だと立ち回りの選択肢が著しく制限されますし、またコンボダメージも端だと伸びる傾向があります。
なので画面端に追い込まれることは総じて嫌われる傾向があり、必然立ち回りにもその考え方は反映されます。
画面端を意識した攻防では「画面端からの脱出」を前提とした選択肢を考えることが重要です。
位置を入れ替えられる技やジャンプ・ハイジャンプでの脱出を咎めることができれば、橋が絡んだ高火力コンボのチャンスとなります。
「ガードバランス状況」は立ち回り総体には影響を及ぼしませんが、立ち回りを形作る要因のひとつである「リスクリターン」を考える上で非常に大きな要因となります。
先ほどのソルvsカイで引き続き考えましょう。
ソル側がガトリングで固めたあと、立HSからのジャンプキャンセルで再度の攻勢を見せたとします。
この場合カイ側の行動ですが、ガードバランスが溜まっている場合と溜まってない場合で技選択とその後の展開が変わってきます。
ガードバランスが溜まっていない場合はソル側の跳びとカイ側の対空6Pは、状況まで含めるとリスクリターンの釣り合いは両者悪くない別れとなります。
しかしカイ側のガードバランスが溜まっている状況だと話は別です。もし対空6Pを潰されてしまうとそれだけでダメージがゲージ無しで3割強、ゲージがあれば6〜7割は飛ぶでしょう。
そうなるとカイ側としては地対空は振りづらく、ガードで凌ぐなどのその他の行動を取るといった公算が高くなります。
ソル側としては対空潰しでリターンを求めにいってもいいですし、カイ側が対空行動しづらい意識を逆にとって崩しを仕掛けにいってもいいです。
というように、「リスクリターン」という考え方は立ち回りの基礎である技選択を形作る大きな要因です。
そのリスクリターンが戦況によって大きく細かく変化するのが、GGXXにおける立ち回りないし技選択の奥深さ、または難しさと言えるでしょう。
「テンションバランス状況」も非常に細かいポイントながら見逃せません。
GGXXでは後退や静止などの「ネガティブ行動」はゲージ効率の悪化に直結します。
逆に前進・攻撃などの攻める行動はゲージ回収そのものだけでなく、その後のゲージ効率の上昇にも繋がります。
つまり、画面での位置取りを考える際にも前進や攻撃を最低ガードさせるといった行動を使えば、その後の試合展開が有利に動くわけです。
実利には直接結びつかず、状況有利も取れるわけではない、いわばメタ有利といったところですが、GGXXはゲージ行動が強力なのでゲージ効率の上昇はあとあと響くことが多いです。
注意して見てみれば、試合序盤は直前ガードを多用している上位プレイヤーもいますよ。
「テンションバランス状況」が最も試合展開に影響を与える可能性がある局面は「ネガティブペナルティ直前状況」です。
現有のゲージ量に関係なくネガペナがつくとテンションゲージがゼロになってしまうため、ネガティブペナルティがついた場合、攻めるかゲージ行動を使うことが多いです。
間接的に攻めが強要されるので、相手の行動予測がしやすい局面です。有効活用していきたいものです。ちなみに攻めてこなかった場合は相手のゲージがゼロになるので、やはりその後の展開を有利に進めることができるでしょう。
そして「ゲージ状況」。多くの対戦格闘ゲームには特殊ゲージが設定されており、溜まったそれをリソースとして特定の行動を取ることができます。
GGXXにおけるテンションゲージは攻めることによって溜まるゲージが他のゲームに比べて多く、またゲージを使った行動も強力です。
なので相手ゲージの状況によって技選択は時に大きく変わります。
例えば無敵技を持っているキャラは、RCもしくはFRCできるゲージ量があればある程度「ガードさせ得」で無敵技を繰り出すことができますし、相手は打撃投げ両方に勝つ無敵技という選択肢を前提に技選択を考えないといけなくなります。
またダメージソースとして優秀なFB技、空振りでも隙を消すことのできるFRC、コンボを大幅に伸ばせるRCなど、テンションゲージの現有量によってリスクリターンも大きく変わります。
GGXXにはもうひとつ大きなゲージがあります。ご存知のとおりそれはバーストゲージ。
バーストゲージがあればある程度のリスクに目を瞑っての技選択をしても、ゲーム展開が簡単に壊れることはありません。
またバーストゲージは被ダメージのほかにタイム経過によっても回復するため、リスクを抑えながら緩やかな試合展開にすることによってバーストゲージの回復を図るという立ち回り論も存在します。
また被ダメージによってバーストゲージが回復するということは、言い換えると「残存体力=バースト量」といった考え方もできるため、「バーストは早め」というセオリーもあります。
また「残りタイム=バースト量」という考え方もできるため、「バーストの交換」という考え方もあります。一方がバーストゲージを使い一方がバーストを残している場合、タイム経過によるバースト回復をバースト所持側は受けられず、バーストゲージが溢れるというリソース理論です。
一方ではバーストの強さを最大限生かすために戦況に最も影響を与える局面でバーストを使う局所論、バースト読みの存在を否定するために確定箇所(ダウン時やバウンド時、突進技に合わせる)に使用箇所を固定する安定論もあり、議論の余地はあるものの結局バーストの使い方は「プレイヤーの好み」の範疇でおさまっているようです。
改めての話になりますが、「立ち回り」とは「対戦相手の選択肢」に対して「自分の選択肢が総合的に上回るように」組み上げていくものです。
「立ち回り」を強化するために必要不可欠なことは「相手の選択肢を上回ろう」という意思です。プレイ回数もむろん必要不可欠ですが、対戦相手の選択を上回る行動を編み出すといった「思考」もやはり大切です。
対戦格闘ゲームの上位プレイヤーが違う対戦格闘ゲームをプレイした時に、より効率よく腕を上げていくのはこの「思考」の道筋をしっかりと自分のものにしているからです。
「立ち回り」で悩んでいるなら、まずは「自分が困っている相手の行動」をしっかりとイメージし、「それに打ち勝てる行動」を自分の中で考えて、そして「実戦で本当に打ち勝てるのかを試す」、この3プロセスを意識してみてください。
「自分が困っている相手の行動」がイメージできないなら、自分以外の記憶媒体に頼ってみましょう。古典的な手ですがメモや覚書は今にも通ずる大事な手法ですし、現在なら自分の対戦動画という最高の外部記憶媒体も存在します。
「それに打ち勝てる行動」が思い浮かばない時は、自分以外の誰かに頼ってみましょう。対戦相手にアドバイスを求めるのもいいですし、現在にはインターネットという便利な集会所も存在します。
「実戦で本当に打ち勝てるのか試す」ことに躓いた時は、まずはその行動が対戦中オンタイムで自分に可能な行動かどうかを考えてみましょう。思いついた行動が人間には難しすぎる、ということも往々にしてあります。自分の格ゲー練度と相談して、自分に可能そうな行動から試してみましょう。
もうひとつの方法は、その行動ができるようになるまで「やり込む」ことです。陳腐なセリフですが、やり込みは裏切りません。対戦格闘ゲームをやり続けた時間は、ずっと自分の中で生き続けます。
さて、今回の講習会はネタも無く、難しい話ばかりとなりましたが、少しでも役に立ったでしょうか。
GGXXのゲーム性に踏み込みながら対戦格闘ゲームの考え方を探る、といういつもと逆の手法で行なってきた今回の講習会、
これからの対戦格闘ゲームライフに活かしていただければ幸いです。 GGXXはプレイヤーの技術と研究介入度の非常に高い、
懐の深いゲームです。
今回の講習会を機により多くのプレイヤーにその深奥へ近づいて頂ければ、僕としても本望です。
本日は長らくのお付き合いありがとうございました。
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